12. vs スラム零番街
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「バカ」
と、ジャスタスが言ったのは、それから数時間後、南米スラバヤの上だった。
「…バカ」
「うるっせー二度言うなや!
あのときはナイスアイデアだと思ったんだよ!」
盗んだ家の前で、
チューヅ達は確かに、家ごとまるっと盗んだ、はずだった。
しかし、よく考えてみれば、壁にワイヤーを刺したって
中の部品入り段ボールや、まして地下研究室までごっそりついてくるわけではない。
結局、彼らは 「家だけ」 まるっと盗んでしまった結果になる。
「かえしてきなよ」
「いや、こんなの返したところでどうにもならんだろう。
…正直、どうやって返すんだ、こんなの…」
迷惑をかけたばっかりで
リスクに見合う収穫はまるでなし。
手で足でじたばた地面を打つチューヅの隣
同伴の二匹もがっくり肩を落とす。
「だァア!いいの!
俺ァ、丁度こういう家が欲しかったところなんだよ!
あーうれしいうれしい!作戦通りだぜ!」
100歩譲ってそうだとしたって、手に入ったのは半壊したコンクリートの家屋。
チューヅの万歳が少ししょっぱかったのは、此処だけの話だ。
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