13. vs WGP&WGPクラシック

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「It’s a Big Chanceデショ?
みんなアタシ達がホンキだて思てないカラ、相手もしにゃいダヨ!
ソレに、征服Teamの中にアタシが居れば、イパーイの意見を言ふことデキル。
GLLをLivlyダケのいいようにはさせないダヨ。
成功のアトは、ドルテチャンがドン・コバルトのオネガイを聞くターンになゆ。
So,イイ条件デショ?ドウ思ウ?」

ドルテは、腕をいっぱいに広げ、全身で同意を勝ち取るべく懸命に媚びて媚びまくった。
地面にぺたんこ座りのままでは失礼かもしれないと、家臣のように膝まづいてご機嫌をとろうとすらしてみた。
だが、彼女の必死の熱弁も空しく、トンボの長の表情は怒りを増していくばかり。
ああ、怒っている。場にいたアオイト皆が首を縮こまらせたそのとき、
とうとうコバルトは爆発した。

「帰んな!
そんなストゥーピッドなプランに賭ける気も暇も、俺様には無ぇんだよ!
どこの馬のボーンともしれねぇ蜘蛛の道楽に耳貸したのが間違いだったみてーだな!
 パオロ!このオンナをパークの外までお送りしろ!」

彼が顎をしゃくると、呼ばれたパオロが素早く玉座に近づいた。
ドルテは先を続ける暇もなく、彼の長い腕に抱きかかえられてしまう。

「ごめんな嬢ちゃん、じゃがウチもコバルトに同意じゃき。」

その言葉通り、ドルテが待ってと言ってもパオロは待たず
さっさと翅を広げ、蜘蛛には手に負えないくらい高くに飛び去ってしまった。
残されたのはフランベルグと陳情役のアオイト達は、今のは結局”管轄の仕事”ではなかったんですよね?とでも言いたげに玉座に目を注ぐ。ひじ掛けを土足で踏みつけるのは、コバルトが至極不機嫌な時の癖だ。

「チッ どいつもこいつも胸糞悪ぃ…フラン!」

しばしの間、彼は椅子の上で居心地悪そうに佇まいを調整していたが
それにも飽きたのか、わざとらしく懐の内を探ると、大きく舌打ちを鳴らした。

「ちょっとここ代われ!
タバコが切れたので俺様は自分で買いに行く。てめぇら、ぜってー着いてくんじゃねーぞ。」

タバコとくれば喜んで!と、アオイトが着いてこないように「自分で」を強調しながらぐるりを見渡し、最後に確認するようにフランベルグの顔を覗き込む。

「…5分だけだ。」

大儀そうな返事を得ると、コバルトは玉座から飛びおり
自分の威圧感だけで道を開けさせながら、のしのしと大股に歩き去っていった。
フランベルグは「…あーあ」空いた玉座に腰を下ろす。
いつもならば、きまって彼がタバコを買いにパシらせられるのに、妙なこともあるものだ。