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スウィーティーの武器はナイフ、ソンフィの武器が銃なのは、チューヅ達にも知れている。
つまり、ピンポイントな攻撃が主となるだろうということは、スラバヤには見抜かれている。
ソンフィが引き金を引くのと、チューヅが飛び出すのはほぼ同時だった。
/torchで赤く火照った炎弾が襲うが、チューヅはソンフィの予想以上に素早い相手で、
溶けるように熱い弾丸は地面を焼く。
「/sling!」
着弾しなかったのを受け、次の装填ができるまで、スウィーティーがナイフを連射し
チューヅの動きを止めに掛かる。
が、そのナイフも足跡に刺さるだけだ。追いつかない。
「当たるかよっ…やれ!」
チューヅが合図と同時に右に飛び退き、リラの竜巻が真っ直ぐスウィーティーを襲う。
威力の少ない風だ、が、持っていたナイフが吹き飛ばされて刃混じりの竜巻に
ふたりは慌てて首を引っ込めた。自分の武器でやられてしまっては世話がない。
「行けっ!/thunder!」
ようやく立ち直って反撃しようとしたところを、
竜巻の後ろを走ってきたチューヅが、腰の鞭を振るって、雷を投げつけてきた。
間を置かずたたみかける戦法はチューヅの得意とするところで、ソンフィ達は防戦一方になる。
「オラオラ!ガンガンいくぜ!」
高く跳びあがり、次は頭上から雷を打とうとするチューヅの姿をソンフィは捉える。
しかし、上を防ごうとすれば、正面には構えるリラの姿がある。
両方防ぎたいところだが、スウィーティーがまだ雷の衝撃から立ち直っていない。
「…んにゃろォ…/storm!」
ソンフィは一旦銃を休め、掌を突き出すと
まずはリラのほうを相殺しようとしてストームを繰り出した。
これで上空のチューヅまで巻き込めれば御の字だ。
が、リラは何故か魔法を出さず、チューヅは一直線に向かってきた竜巻に弾き飛ばされてしまう。
「っしゃァ!オイ!」
「ナイスだよソンフィ!/bigshock!」
そしてまだ次の技のチャージが終わらないうちにソンフィがチューヅにクラッカーを撃つと
小さなハナアルキはいとも簡単に跳ね返されてしまった。
今まで走った距離をふっとんで、リラにぶつかり、ひとまとめになって転がっていく。
「何やってんだよ姉御!」
かなり遠くでようやく止まり、チューヅが怒鳴る。
リラはまだぐったりと横たわるばかりだ。
「ホゥ…?」
スウィーティーはまるで漫画のようなふたりを優越感たっぷりに眺めると、
ストームを受けた両腕を見やり、首を傾げた。
最初の攻撃を受けた右腕は風に当たった程度だったのに対し、
左腕は袖が擦り切れる程のダメージを受けている。
同じ一体のリヴリーの技でここまで威力の差があるとは考えにくいのだが、
もし彼の仮説が正しければ、あるいは。
思い当たって彼はニタリと笑う。
「ナルホドね。これはホケツなわけだ。魔法の制御がまるでデキテナイ。」
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