場外乱闘・前
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部屋の中から一転、4匹はスウィーティーのアジトで向き合っていた。
ご丁寧にギュニア杯を真似して土のグラウンドに観客達まで整っているが、
土の色は茶色と反対色の蛍光緑、空は真っ黒だし、観客席に並ぶのはどれもこれもヤミぐるみだ。
スウィーティーらしいジョークの利いた設備となっている。
皆がその毒々しい風景に戸惑う中、彼だけは気持ちよさそうに大きく伸びをした。
「サァーテ、ダイジョウブかな?」
「何が。」
げんなりしながらソンフィが吐き捨てる。
肩を回すと、スウィーティーはニヤニヤと歯をむき出し、指を一本立てて見せた。
「不安ヨウソはふたつある。
ひとつには、2日間戦ってカイフク途中の私たちに対して、彼らは満タンなんだってこと。
それに、ミチスウの相手に私たちはテノウチを知られてるってこと。」
ソンフィは口を結んで聞いていた。
猪突猛進な彼女も、スウィーティーの忠告がよく当たることは認めざるを得ない
わかってんよ、とぼやいて、両手をメガホンのように口元に当てた。
「おーいチビ助!準備はいいなァ?」
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声を受けて、リラは黙ってチューヅを見やる。
真緑の砂利を蹴る彼はかなり意気込んでいるように見えたが、
慣れない風景の中、ソンフィ達に比べると、ふたりはとてもちんまりとして見えた。
彼女の不安を悟ったのか、チューヅはどんと胸を叩き
「男は前に立たねーとだぜ。
俺が斬り込むから、姉御は後ろから魔法で援護しろ…できるな?」
「善処します。けれど、期待はなさらぬよう。」
気乗りしない様子ではあるが、取り合えず腕を捲くって後ろに下がったリラを見て
チューヅは一声、気合の叫びを上げた。
「っしゃぁー!チームワークさえありゃ十分だ!
おぅニャンコロども!そろそろ始めようぜぇ!」
「シアイ、カイシ。」
スウィーティーが、あの審判の口調を真似て言った。
ゴングは鳴らない。
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ソンフィ クロメ
身長173cm 体重49kg
スウィーティー クロメ
身長:180cm 体重:56㎏
vs
チューヅ ハナアルキ
身長145cm 体重38kg
RYLA
身長153cm 体重25kg
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