06. vs チュータツ

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「バカ姐ー余計なこというんじゃねーよ!」

「こりゃまた失礼!」

チューヅの見る目はチュータツ側の人間を見る目そのものだ。
リラはそれにあっかんべーをくれてやり、
さっさと逃げようとするチュータツの背中に

「でもどうかしら。
 例えば貴方なら、ここまで大々的に
 始めてしまった計画を途中でお止めになれますでしょうか?
 あの方々、管理リヴリーまで襲ってましてね
 このまま放っておいたって処分を待つのみの前科者、
 ましてロボットを捨ててしまえば自ら丸腰になったようなもので
 たちまちお縄なんてことにも成りかねませんよー、なんつったりして。」

などと、攻撃してみせる。
成る程、自衛のために、武器は手放せないというわけだろうか。
チュータツの引く手が弱まった。
リヴリーアイランドで至上の価値はニンゲンである。
生き残りたければニンゲンに媚び、もっというなら世界に従順でなければならない。
逆らうならば、それ相応の覚悟が必要であることは
ニンゲン不信のチュータツも良く知ったことだ。

「アタシタチずさんダカラすぐ処分されチャウダネ。
 考えたこともナカタ。」

無邪気に同調するドルテ。
モンスターの社会で生きる彼女には
恐らくそのリヴリーアイランドの常識が解っていないだろう。
もし規律を犯すなら、
明確な法律のないリヴリーアイランド内において
"処分"の意味する内容は、最悪アカウント削除、ということになる――。

「なぁチュータツ、てめぇも一国を乗っ取ろうとした男なら考えたことあるだろ。」

チューヅが神妙に口を開いた。
命を掛け金にしてギャンブルをしたい。
とてつもなく不可能なくらい、大きなことを成し遂げてみたい。
生きた証を残したい。

「同じ死ぬってんでも
 モンスターハントで何百匹ぶっ殺そうと、ただの記録にしかなんねぇけどな、
 でっけぇ世界を手に入れて消された奴ってのぁ、世界を変えちまうんだぜ。」

チュータツは黙って聞いていた。